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オオトックリゴミムシ

執筆者の写真: バエバエ

某地でオオトックリゴミムシを採りました。

潜水艦のような形をしていてよい虫ですね。

生態を観察していると、この形状の意味が分かります。

初めて見たときは唸らされました。

某所では複数匹得たので、全国的に記録の少ないエチゴトックリゴミムシが混ざっていないか見ていきます。

残念ながら、エチゴトックリゴミムシの標本を持っていないので、比較することができません。

そこで、今回はこちら(兵庫のトックリゴミムシ類)の文献を参考にしました。

まずは、外部形態から。

エチゴとオオの一番分かりやすい違いとして、『下唇中央歯の形状』が挙げられます。

前胸腹板突起の形状や、雄の前符節の形状でも見分けられるようですが、エチゴとの比較ができないため割愛します。

図と比較しながら見ていきます。

下唇中央歯を赤色でなぞりました。

m状になっているのが分かります。

この個体はオオトックリゴミムシのようです。

手持ちのTG-5で目一杯拡大すると確認できる大きさでした。

この個体は雄なのでゲニタリアも抜いてみましょう。

〆てすぐなので簡単に抜けました。

ゲニ抜きは〆てすぐか、解凍後すぐにかぎりますね。

では、ゲニタリアの形状を見ていきましょう。

ゲニタリアの形状だけを見ると、近いものもいますが外部形態で絞ることができます。

今回はエチゴとオオのみの比較です。

(交尾器中央片右側面)

(交尾器中央片背面)

全体の形状は先端を見てもらうと違いが分かりやすいです。

背面はエチゴの方が全体的に覆い被さっているイメージに対して、オオは軽く覆い被さっているイメージです。

ゲニタリアの形状からもオオトックリゴミムシであると分かりました。

手元の標本をいくつか見ましたが、エチゴトックリゴミムシは混ざっていないようです…。

残念ですが良い経験になりました。

エチゴトックリゴミムシが採れたら、ぜひ、比較したいものです。

ではでは。


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