3月末に山陰むしの会の会誌すかしばが発行されました。
いくつか投稿したので紹介します。
鶴崎展巨・大生唯統・長瀬 翔(2023)鳥取県東部におけるヒメアカネおよび赤トンボ類数種の最近の記録.すかしば,70:1-6.
鳥取東部の減っているヒメアカネとコノシメトンボを報告するついでに、手元にあるアカネ属標本をまとめて報告しました。まとめるきっかけは鶴崎先生が湖山池湖畔で見つけたヒメアカネでした。
大生唯統(2023)鳥取県におけるホソクビキワワリの初記録.すかしば,70:13.
鳥取県東部からホソクビキワワリを初記録。目立つ種ですが県下の標本は確認できず、私自身もこの個体以外見たことないです。県内全域の夜の森へは割と突撃しているのですが。
大生唯統(2023)鳥取県若桜町でフトハサミツノカメムシを採集.すかしば,70:16.
フトハサミツノカメムシを鳥取東部で見つけました。個人的にはやっと会えた種で嬉しかったので投稿。
大生唯統(2023)鳥取県八頭町(扇ノ山)におけるトラフコメツキの記録.すかしば,70:27.
山陰地方から記録のない?トラフコメツキを報告。関東では多い種のようですが、中国地方ではほとんど記録がないです(鈴木・有本,2021)。標本整理をしていたら出てきたので、鈴木さんにアドバイスいただきながら報告しました。こちらでは春先に甲虫採る人口が少ないので記録されてこないのかなと。あと、標本写真がよくなくてすみません(差し替えが間に合わなかった)。追記:光枝(2023)でも報告されていました。
大生唯統(2023)鳥取県若桜町でオオメナガヒゲナガゾウムシを採集.すかしば,70:41.
西日本では稀なオオメナガヒゲナガゾウムシを鳥取県東部から報告。今田さんが驚いていたのが印象的でした。すかしば出版とほぼ同時に、ホシザキグリーン財団報告から光枝(2023)が出て、三徳山でも生息が確認されました。
大生唯統・松井悠樹(2023)フタテンカメムシの鳥取県における初記録と島根県における追加記録.すかしば,70:48.
フタテンカメムシを船上山から鳥取県初記録。山陰地方では主に山地のススキ草原にいるようです。昨夏、九州南部へ行ったときは沿岸部や平地のライトによくきていたので、こちらでも沿岸部のチガヤ草原にいそうです。
大生唯統・松井悠樹・長瀬 翔(2023)鳥取県東部におけるアカマダラセンチコガネの記録.すかしば,70:60-61.
鳥取県東部の複数地点からアカマダラセンチコガネを記録。ついでに稀覯本の記録も確認して、鳥取県のアカマダラセンチコガネの記録を整理しました。記録がなかった鳥取中部からも、前述の光枝(2023)で記録されました。
大生唯統(2023)鳥取県におけるシロヘリツチカメムシの初記録.すかしば,70:78.
鳥取県初記録のシロヘリツチカメムシを伯耆大山から報告。鳥取県RDB掲載の個体です。一時期標本がどこかへ行ってかなり焦ってました...。
大生唯統(2023)鳥取市若葉台においてヒサゴクサキリを採集.すかしば,70:82.
鳥取県3地点目のヒサゴクサキリを報告。内陸かつ、学部時代はかなりの頻度で通っていた外灯なので、見つけたときは驚きました。
以上、9報告です。手元の積み残しを一部消化しただけなのでもっと書かねばと思います。
ピックアップ:
金田(2023)鳥取県でミナミギザチビドロムシを採集.やられた〜という感じ。密かに狙ってました笑
尾原(2023)島根県のスナヨコバイ.
鳥取でもそれっぽいのをよく見るので精査したいです。*再検討が必要そうです。
林(2023)学研の図鑑LIVE新版 昆虫に掲載された山陰地方産昆虫.
記録をしっかりと残してくださって嬉しいです。標本の所在が明記されていませんが、ホシザキグリーン財団でしょうか?
福井(2023)ケヤキ落枝上で採集した昆虫類.
福井さんは特定の環境に絞って調査されていて、毎年、興味深く読んでいます。前年は家の中、今年は自宅から30m離れた場所で、「家から少し出ました」と総会で言っていました笑
三木(2023)オキツヤヒサゴゴミムシダマシの採集記録.
島後からの追加記録。ホソクビキワワリにも見えるような...こちらも島後から記録があります。
尾原(2023)島根県におけるハイイロハネナガウンカ(仮称)の1記録.
田畑(2010)で仮称されたこの種は別属の既知種と私は考えています。鳥取県内でも数カ所で得ているので、精査してちゃんとしたところへ投稿予定です。
すかしばは毎年面白い報告があって、誌面も綺麗なので投稿しがいがあります。興味のある方は入会してみてください。このHPのお問合せフォームからでも構いません。事務局へ取り次ぎします。
ではでは
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