鳥取県の外来性昆虫の文献まとめです。作成中です(2020.XI.11 最終更新)
私の手元に色々とデータはあるのですが、既存文献のみでとりあえず10種を掲載しました。文献抜けあればご教示お願い致します。本HPは報文執筆や記録の確認をしたいときにお使いください。memo:や補足はおおむね私の過去の投稿文献紹介そのままです。引用の際は紹介文を引用せず元文献をきちんと読んだ上で引用してください。*文献情報コピペして誤記があっても責任を負いません(笑)
別刷が必要な方や質問がある方(鳥取県内で○○を見つけたが記録はあるのか?でも可)は本サイトのお問い合わせのメールフォームからご気軽に連絡ください。
・はじめに
鳥取県の外来性動植物をまとめたものとして、鳥取県(2007)鳥取県の外来性動植物のリスト(オープンアクセス)が存在します。しかし、その後も外来生物は毎年侵入しているので情報がかなり古いものとなりつつあります。そこで鳥取県(2007)以降に確認された昆虫を中心に文献まとめを作りました。記録を調べる際の一助となれば幸いです。そして、小さな記録でいいので引用可能な文献に投稿していただければ大変嬉しいです。
◎半翅目
〇セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
岩美町・鳥取市・湯梨浜町・倉吉市・伯耆町・江府町
谷本純子・有馬千弘・亀田篤史・花房佑樹・鶴崎展巨(2010)鳥取県における外来性半翅目2種の分布.山陰自然史研究,5:39-42.【鳥取県初記録】
memo:県内全域で確認されている。非確認地点も掲載されている。
〇プラタナスグンバイ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
境港市
大河内 晃(2019)山陰地方で採集したグンバイムシ.すかしば,66:1-4.【鳥取県初記録】
memo:境港市での記録。
〇アワダチソウグンバイ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
岩美町・鳥取市・湯梨浜町・倉吉市・伯耆町・江府町・境港市
吉岡誠人(2008)島根県東部および鳥取県西部の河川敷におけるアワダチソウグンバイの分布状況.ホシザキグリーン財団研究報告,11:217-222.【鳥取県初記録】
memo:筆者未見文献。
谷本純子・有馬千弘・亀田篤史・花房佑樹・鶴崎展巨(2010)鳥取県における外来性半翅目2種の分布.山陰自然史研究,5:39-42.
memo:県内全域で確認されている。非確認地点も掲載されている。
大河内 晃(2019)山陰地方で採集したグンバイムシ.すかしば,66:1-4.
memo:境港市での記録。
〇ヘクソカズラグンバイ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
境港市・米子市
山崎秀雄(2011)東京都三鷹市と鳥取県米子市のヘクソカズラグンバイ.月刊むし,481:48.【鳥取県初記録】
memo:2008年6月30日に確認されている。
大河内 晃(2019)山陰地方で採集したグンバイムシ.すかしば,66:1-4.
memo:境港市での記録。
〇マツヘリカメムシ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
岩美町・鳥取市
鶴 智之・大生唯統・田村昭夫(2020)外来種マツヘリカメムシLeptoglossus occidentalis鳥取県からの初記録と分布の拡大状況に関する考察.鳥取県立博物館報告,57:37-43.【鳥取県初記録】
memo:中国地方初記録。全国分布についても掲載。オープンアクセスで鳥取県立博物館HPから閲覧可能。
〇クスベニヒラタカスミカメ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
鳥取市
初宿成彦(2019)外来種クスベニヒラタカスミカメを東京~大分で確認.かめむしニュース,(58):7.【鳥取県初記録】
memo:鳥取駅南口(鳥取市)で確認。
☆本種に関しては大阪市立自然史博物館が分布調査をネット上実施しているのでそちらも合わせてご覧ください。
〇キマダラカメムシ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
岩美町・鳥取市・八頭町・倉吉市・伯耆町・米子市・境港市
野津幸夫・中野一成・田村昭夫(2014)鳥取県に侵入したキマダラカメムシ -伯耆溝口駅で採集- .ゆらぎあ,(32),46-48.【鳥取県初記録】
memo:2014年秋の確認で生山駅、黒坂駅、根雨駅道の駅犬挟では未確認(本報告)。幼虫が鳥の糞を吸汁していたとのこと。←奥島・近藤・橋本・末長・中野・脇本・山田(2012)でも報告あり。
松井悠樹(2015)鳥取市でキマダラカメムシを採集.ゆらぎあ,33:42.
memo:鳥取市初記録(鳥取駅)。
田村昭夫(2016)倉吉市でキマダラカメムシを採集.ゆらぎあ,34:15.
memo:倉吉市初記録。
田村昭夫(2017)キマダラカメムシの幼虫を自宅で目撃.ゆらぎあ,35:36-37.
memo:倉吉市で幼虫を目撃。成虫の追加記録も。
大生唯統(2017)鳥取市におけるキマダラカメムシの記録.ゆらぎあ,35:26-27.
memo:鳥取市におけるキマダラカメムシの分布記録。鳥取市東町2丁目、鳥取市若葉台南6丁目、鳥取市叶、鳥取市浜坂(鳥取市サイクリングターミナル砂丘の家)、鳥取市湖山町南5丁目の5地点。ソメイヨシノ、モミジバフウ?で確認。
大生唯統(2018)若桜町でキマダラカメムシを採集.ゆらぎあ,36:22.
memo:キマダラカメムシが若桜町へ侵入。冬場、継続的に積雪のある当地での越冬状況が注目される。
金田直人(2019)米子市におけるキマダラカメムシの記録.37:46-47.
memo:米子市初記録。米子水鳥公園では既に2017年に採集されていた。境港市でも確認されている。
大生唯統(2019)八頭町初記録のキマダラカメムシ.ゆらぎあ,37:57.
memo:八頭町(郡家:こうげ)初記録。
◎甲虫目
〇ハラアカコブカミキリ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
岩美町・鳥取市
大生唯統(2017)鳥取市にハラアカコブカミキリが侵入.ゆらぎあ,(35):24-26.【鳥取県初記録】
memo:鳥取県初記録の国内外来種ハラアカコブカミキリの記録。確認された産地は鳥取県鳥取市若葉台北1丁目(公立鳥取環境大学構内)、鳥取市若葉台南5丁目、鳥取市海蔵寺の3地区。2016年5月10日の記録が一番古い記録。
小椋 隆(2017)鳥取市街地周辺におけるカミキリ2種の記録.ゆらぎあ,(35):24-26.
memo:鳥取市国府町で2017年5月に採集、同年7月に目撃の2例が確認されている。
大生唯統(2018)ハラアカコブカミキリ岩美町へ侵入.ゆらぎあ,(36):19.
memo:岩美町唐川と鳥取市広岡におけるハラアカコブカミキリの記録。(環境大学の状況から)産地での個体数は極めて多いものの、唐川では追加個体は得られていないため、侵入の初期段階と考えられる。
小椋 隆(2018)2018年ハラアカコブカミキリ大発生.ゆらぎあ,(36):25.
memo:上記の小椋(2017)で報告された産地で大発生(延べ100個体を上回る)を確認したとの報告。
*参考記録
中野一成(2017)岡山県で採集されたハラアカコブカミキリ.みちしるべ(53):569.
文中の野津幸夫氏の私信で「岡山県及び鳥取県では原木栽培関係者を通じて既に本種の侵入が確認されているようではあるが」と鳥取県下の記録について触れられている。
◎直翅目
〇ウスグモスズ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
鳥取市
川上 靖(2012)外来種ウスグモスズ(コオロギ亜目ヒバリモドキ科)の鳥取県における記録と分布拡大. 山陰自然史研究 8: 33‒34.【鳥取県初記録】
memo:鳥取県初記録(鳥取市久松山)。鳥取県博の川上氏のサイトから閲覧可能。
〇タイワントビナナフシ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
米子市
日本海新聞
https://www.nnn.co.jp/news/200911/20200911049.html (2020年10月30日 閲覧)
memo:鳥取県初記録(米子市河崎)。紙版にも載っていたとか。
◎ハチ目
〇タイワンタケクマバチ
現在県内で確認されている地域は以下の通りです。
鳥取市
田村昭夫・大生唯統(2018)鳥取市で発見されたタイワンタケクマバチ.ゆらぎあ,(36):1-3.【鳥取県初記録】
memo:鳥取県に侵入した外来種タイワンタケクマバチの記録。鳥取県初報告(記録)。5月中旬に湖山町で中 秀司氏により確認されたのを皮切りに、鳥取市市街地の3ヶ所(湖山町,桂見,上町)で確認された。湖山と上町では複数回確認されたことから市内には数年前から侵入していた可能性が高い。
文献収集にご協力いただいたむしきち氏に感謝申し上げます。
以上🐥
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